

海外ゲームイベント最前線!ゲームという共通言語で国境を越える、ロンドンから届けるヨーロッパゲームビジネス最前線
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石川 武志
ゲームという共通言語が国境を超える瞬間を体験することができたロンドンゲームフェスティバル。
2025年4月2日から13日までの11日間開催されるイベントで、歴史ある建物を再利用したロンドン博物館で開催されたこのイベントは、今年で10周年という節目を迎えていました。
私は、今回、4月3日・4日で開催されたnew game plusというゲームショウに参加してきました。
私たちはBitSummitのイベントパートナーとして、日本から4つのゲームタイトルの出展サポートを行うとともに、ヨーロッパのインディーゲームシーンを肌で感じるべく、Bitsummit運営主体の日本インディペンデント・ゲーム協会の理事であり、SkeletonCrewStudio代表の村上と共に参加してきました。
このレポートでは、ヨーロッパのゲームビジネスの最前線や、現地での交流から得た気づきをお伝えしたいと思います。ゲーム開発者、学生、そしてゲーム産業に関心を持つすべての人に、この体験から何か持ち帰ってもらえれば嬉しいです。もちろん個人的見解も含まれるので違和感を持つ方もいらっしゃると思いますが、その辺りは直接会った時にご意見など伺えると幸いです!
イベントの特徴と雰囲気
ロンドンゲームフェスティバルの会場として使われていたのは、すでに本来の目的では使われなくなったロンドン博物館。
歴史を感じる重厚な建築と最新のゲームが融合する不思議な空間が、このイベントならではの魅力を作り出していました。古い建物の再利用という点も、ヨーロッパらしい文化的アプローチだなと感じます。
特筆すべきは、このイベントは、ゲーム展示はあるものの、そういったゲームショーのみではなく、行政や銀行がしっかりとバックアップしている点です。ゲーム産業を従来のエンターテイメントのみではなく、グローバルな経済価値を生み出すビジネスとして真剣に捉えている姿勢が随所に見られました。日本ではまだまだエンタメコンテンツの一つというイメージを持つ、ゲーム産業ですが、ヨーロッパでは重要な基幹産業として拡張しようとする意気込みを強く感じることができました。
イベントの構成は、一般消費者向け(BTOC)と企業間取引(BTOB)の両面でバランスよく設計されていました。
プレイヤーが楽しめる展示スペースがある一方で、ビジネスマッチングやネットワーキングの場も充実していて、この「二面性」をしっかり意識されている印象でした。
教育的側面と人材育成
初日には、多くの学生が訪れていたのが印象的でした。単に最新ゲームを体験するだけでなく、彼らの多くは真剣な表情でステージイベントに参加していました。
そこでは業界に入るためのCV(日本でいう履歴書)の作り方や、効果的なポートフォリオの構築方法、さらには入社後にどのように自分の価値を高めていくかなど、実践的な内容が展開されていました。
ヨーロッパのゲーム業界では、次世代の人材育成に本気で取り組んでいることが伝わってきました。日本のゲーム関連イベントでも同様の取り組みはありますが、さらに強化していくことも大切ではないかと思いました。
印象的だったのは、現役のゲーム開発者やパブリッシャーの採用担当者が直接アドバイスを行うセッションで、学生たちは熱心にメモを取りながら質問していました。
このような教育的な側面にも力を入れている点は、イベントとして「それぞれの立場に何を提供できるか」をしっかり考え、展示会というものを業界全体のエコシステムを育てる場としての機能も果たしているなぁと思いました。
ヨーロッパのゲームビジネス最前線
今回興味深かったのは、ヨーロッパ各国のゲーム産業への取り組みを直接見聞きできたことです。ロンドンのイベント主催者たちとの交流はもちろん、ベルリンから参加していたGAME ROUNDのメンバーとの出会いでは、ドイツでもゲーム産業は重要な文化産業として位置づけられているところでした。さらに、スペインのマドリードでもゲーム投資に力を入れているという話を聞き、ヨーロッパ全体でゲーム産業への期待値の高さを実感しました。
そして、クリエイター自身がビジネス感覚を強く持っている点です。「面白いゲームを作る」はもちろんのこと 、「どうやってそれを収益化し、持続可能なビジネスにするか」を常に考えている姿勢が随所に見られました。アーティスティックな側面とビジネス的な側面を高いレベルで両立させようとする意識が垣間見えることも感じることができました。
ヨーロッパ各国がこのマーケットに強い期待を寄せている背景には、デジタルコンテンツ産業の成長性と輸出産業としての可能性があるのでしょう。一方で、この急速な成長がどのように変化していくのか、持続可能なのかという点については、現地の関係者も注視している様子でした。特に、大手プラットフォーマーの動向や、AIの進化がゲーム開発にもたらす変化については、期待と懸念が入り混じった議論が交わされていました。
現地の文化とコミュニケーション
ロンドン滞在中、ゲームフェスティバル以外でも現地の文化に触れる機会がたくさんありました。特に印象的だったのは、街のあちこちに点在するパブ文化です。仕事を終えた後、老若男女問わず多くの人々がパブに集まり、ビールを片手に会話を楽しんでいる光景は本当に活気に満ちていました。滞在期間中は珍しく良い天気が続いていたこともあり、パブの外にまで人があふれ出し、街全体が社交場と化していたんです。
日本の立ち飲み屋と似ているようで、でもちょっと違う。食事よりも「飲む」ことと「話す」ことに重点が置かれた、イギリス独特のコミュニケーション文化を肌で感じました。このようなカジュアルな場での交流が、ビジネス関係の構築にも一役買っているのかもしれません。
また、日本のゲームやアニメなどのコンテンツへの関心の高さも驚きでした。「日本で働きたい」と言ってくる人が多く、日本のクリエイティブ産業への憧れを強く感じました。ただ、海外のクリエイターとつながりを作るには、日本ではあまり活用されていないリンクドインが必須ツールだということも実感。ほとんどの人がその場でリンクドインのQRコードを見せてきて、つながりを求めてきました。日本のクリエイターも、グローバルなネットワーク構築のためにはこうしたプラットフォームの活用が不可欠なのかもしれません。
ビジネスとしてのゲーム産業
世界各国で加速するゲーム業界への投資。その背景には、ゲーム産業特有のビジネスモデルの魅力があります。他の産業と比較して、物理的な仕入れや在庫管理が不要で、デジタル配信によってすぐにビジネスをスタートできる点は、投資家にとって大きな魅力なんです。特にヨーロッパでは、この「軽さ」と「スケーラビリティ」を活かした産業育成が積極的に行われています。
もちろん、ゲーム開発には高い専門性が求められるため、一筋縄ではいきません。しかし、成功した時の爆発力は他の産業の比ではありません。たった1人で開発したゲームが100万本以上売れるケースもあり、ビジネスの可能性として夢は大きい。
ロンドンゲームフェスティバルでは、こうしたビジネスの側面についても多くの議論が交わされていました。「ゲームは単なる娯楽ではなく、重要な経済活動である」という認識が、行政・金融機関・開発者の間で共有されていることが印象的でした。
結論:つながりが生み出す新たな可能性
海外のゲームイベントに参加する際、単なる「参加者」ではなく「パートナー」として関わることの重要性を強く感じました。
今回、私たちはBitSummitのイベントパートナーとして参加したことで、主催者や他国の関係者と深いつながりを築くことができました。特に弊社代表の村上が築いてきたコネクションが新たな繋がりを生み、それがさらに広がっていく様子は、国際的なゲームコミュニティの醍醐味だと思います。
こうした人と人とのつながりから、今後も新しい取り組みが次々と生まれていくでしょう。日本とヨーロッパのゲームシーンをつなぐ架け橋として、今回の経験を活かした活動を続けていきたいと考えています。
ゲームという共通言語は、本当に国境を超える力を持っています。言葉の壁があっても、画面の中の世界観や操作感、そこから生まれる感動は普遍的なもの。この共通言語を通じて、ビジネスも文化も国境を越えて発展していく可能性を、ロンドンゲームフェスティバルで改めて実感しました。
LONDON GAME FESTIVAL
https://games.london/
※この原稿はAIを使用して作成されたものです。
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一般社団法人 渋谷あそびば制作委員会 理事 / 超内会長・404 Not Found プロデューサー
石川 武志
デザイン専門学校入学、卒業後、同校で18年の教員経験。その後、ゲーム会社への転職9年目。現在スタジオマネージャー。アートイベントプロデュースや404NotFoundプロデューサーとして東京、大阪2拠点生活中。多様な経験からとりあえずやってみる精神で何事もチャレンジし続けている。
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